HDRPにゴッドレイを出す。
Heyどーもー、さやちゃんぐbotです。
今年のCEDECで大下さんがHDRPのすごい講演をやりました。
ライティング、カメラ、フォグについて説明されているので、未見の方はぜひ観ると良いでしょう。
もしエクスポージャというものを説明できないなら、すべて通してじっくり観るべきです。
さて、フォグの最後でボリュームフォグについて少し言及がありましたが、おいらは聖剣伝説のリースの城内で窓から差し込むチンダル現象のようなシーンを作れないか?と考えました。
これを試したのが冒頭の画像ですが、この組み立て方をざっと書き残しておきます。
今まではHDRPのサンプルシーンをベースにいじることが多かったのですが、今回は講演の内容をもとに空のシーンで作っていってみます。
カメラを置きます。ISO感度、シャッタースピードなどを物理カメラを参考に数値を変更します。65mm ALEXAを選んだのは……みんなアベンジャーズとか好きだよね?
あとAAも設定しますが、シーン編集時はTAAを避けます。ポスプロとかをいじっている時に、TAAだと前フレームのゴーストが残って正しくルックを確認できないようです。
ディレクショナルライトを置いて、太陽とします。
Anglar Diameterは32前後らしい。晴れた昼くらいのイメージでインテンシティは12万ルクス、色温度は12000にします。
影を出したいのでシャドウマップのチェックボックスをオン。
明るさを確認するためにCubeを使って床と箱を配置。
ここでボリュームコンポーネントを追加し、HDRI SkyとExposureの設定をします。
ディレクショナルライトのインテンシティを減らし、その分をHDRI Skyのルクスに設定。晴れた日では太陽と空の明るさの比率が5:1とか4:1とかそんな比率の模様。
露出(exposure)は固定値で13。ISO感度100で晴天時は14から15くらいらしいです。
オープンワールドでの3DゲームやVRでは、Fixedではなく自動露出にすると、見ている場所が明るい場合と暗い場合で自動的に露出が切り替わるのでいいかんじかもしれません。
Cubeを組み合わせて部屋状にし、外から光が差し込むようにディレクショナルライトの角度を調整します。
ここでボリュームにフォグを追加し、Volumetric Fogのチェックを入れるとチンダル現象が見えるようになります。
もっとフォグをくっきり見えやすくするには、ディレクショナルライトのインテンシティを一桁上げるか、露出を1下げるかすると良いでしょう。
ただし、直接光を受ける場所はもやになって見えなくなります。あくまで屋内だけのシーン限定のやり方になるでしょう。
今回設定したフォグのパラメータ全体。
右上ギアアイコンで追加のパラメータが表示されますが、Depth Extentは調整しておくとルックが良くなります。
いかがでしたでしょうか。
HDRPはパラメータの数が多く、それぞれに前提知識が求められますが、そこを過ぎればこんなかんじのフォグが使えるようになったりします。
また、現実世界の測定値やスペックの値をそのまま使えるので、自分なりに資料を手元に用意しておくといいでしょう。
たとえばわたしは、今回の講演に関して集めたEV値や色温度、映画撮影用カメラのパラメータや、
クオリティを引き上げる!Unity HDRPのライティング、カメラ、ポストプロセス設定 - さやちゃんぐbotスクラップス
照度の資料、
Angular diameter
Angular diameter - さやちゃんぐbotスクラップス
といったメモを書いて、HDRPに触る時に参照しています。
本記事でみなさまがHDRPに触る時の一助になれたら幸甚です。
ではでは。